内容説明
新潟県古志郡山古志村の道路開鑿願いから50余年。「道がほしい」という長年の熱望を結集し、村民が昭和8年から16年の歳月をかけ、日本一の手掘りトンネル「中山隧道」完成させるまでの不屈の足跡を追う!第1回文化庁記録映画優秀賞・文部科学省選定ドキュメンタリー映画『掘るまいか』の原作。
目次
第1部 掘るまいか(地域の状況;無医村の嘆き;発端;村の総会;測量へ;色鯉と牛の角突き)
第2部 我慢の季節(鍬立て式;掘削道具;期成会結成;未曾有の豪雪;大凶作;出稼ぎ;工事の中断)
第3部 不屈の歳月(工事再開へ;出水;貫通;県道への道のり;国道へ;開通式)
著者等紹介
三宅雅子[ミヤケマサコ]
昭和62年「阿修羅を棲まわせて」で、日本文芸大賞女流文学賞受賞。平成元年「乱流―オランダ水理工師デ・レーケ」を、岐阜新聞に一年間連載。のちに単行本(講談社刊)となったのが、土木学会出版文化賞・東海テレビ文化賞・岐阜新聞大賞等、七つの賞を受賞。『乱流』は、CBCテレビドラマとなり、全国放映。また、松竹舞台公演として、三年間、日本各地で上演される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じょん・すみす
1
こうした村の歴史なんかは、知れば知るほどおもしろい。それぞれの土地にこうさたエピソードが残っているんだろう。山に囲まれた村が決死の思いで約900メートルの手堀りトンネルを作った話。このトンネルを作った村民たちにとって、ただ便利な近道以上の価値があったに違いない。こんなエピソードがあれば、一生酒が旨いだろうなぁ。2012/02/13
メタボン
0
☆☆☆ つるはしの手掘りで900m、16年の歳月...村人たちの情熱に頭が下がる。山古志村は震災後に闘牛を見に訪れたことがあり、とんでもなく山奥だと実感したが、日本の原風景とも呼べる山間の風景、棚田や錦鯉の泳ぐ池は心に残っている。この本を読んでから訪れたならば更に感慨もひとしおだったことだろう。よしたー(闘牛のかけ声)。2013/06/01