内容説明
専門のカイミジンコを観察したときの、その眼で世間を見たい。この眼は、突き詰めれば自然史科学の眼であり、学んで納得したものしか信用しないという素朴な経験主義の眼でもある…。
目次
ウミゴボウ
匂いと臭い
夢のまた夢
大量絶滅
「カゼオケ」思考
「つもり」と「やる気」
視力と集中力
猫じゃらし
前適応
選択と淘汰〔ほか〕
著者等紹介
花井哲郎[ハナイテツロウ]
1924年神奈川県生まれ。1948年東京大学理学部地質学科卒業。1956年Ph.D.(Louisiana State University)。1961年理学博士(東京大学)。1972年より1984年まで東京大学理学部教授。1984年東京大学名誉教授。1988年より1995年まで大阪学院大学教授(後半は図書館長)。2001年日本古生物学会賞(横山賞)受賞。専門は古生物学。主な著作はカイミジンコの殻形態の理解に関する分類学的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白猫の単語
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川上弘美さんの書評を見て読んだ古生物学者の随筆。 優しい人だと思った。 我々多くの凡人は思いこみの中で生きていて、ごく少数の疑う人によって世界は変わっていく。ウミゴボウ、エラニメーターが面白い。 かもめは切ない。最後は自分の母親に関する愛情深い一編で〆られている。2014/04/20
kogiku
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マイナーな研究を一途に続けてきた人の境地が感じられる素朴なエッセイ。かわいいおじいちゃんの雰囲気がただよってます。2009/04/20
fumi
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研究者の文章って、もっと杓子定規で退屈で、紋切り型で、難解なものだと思ってた。綱渡りのように繊細で軽妙で、うつくしい文章だった。彼の語る「カイミジンコ」があまりにも可憐だったので調べてみたが、黒くてグロテスクで正直ぜんぜんかわいくなかった。ちょっとがっかりしたけど、ものを捉える目ってすごいなと思う気持ちの方がずっと強かった。2007/06/26
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