内容説明
男とは何か?女とは何か?
目次
プロローグ 男とは何か、女とは何か
第1章 男たちの烏帽子狂騒曲(元服して冠・烏帽子をかぶる;烏帽子が落ちたら一大事;寝るときも烏帽子をかぶったか?;烏帽子と身分制;烏帽子のダンディズム)
第2章 女たちの重い黒髪(女の人生と黒髪;髪の長さは身分を表す;見えない女たち;美女か不美女か;かづら大作戦)
第3章 中世に、女であるということ(女はつまらない;穢の問題と女の仕事;女も男も同じ「人」)
エピローグ 烏帽子と王権
著者等紹介
野村育世[ノムライクヨ]
1960年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科(日本史専攻)博士後期課程満期退学。博士(文学)。高知県立高知女子大学助教授、早稲田大学非常勤講師を経て、現在、女子美術大学付属高等学校・中学校教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Toska
18
中世ジェンダー史の入門書として出色の内容。当時の子供のヘアスタイルは男女とも変わらないが、元服をきっかけに男は烏帽子を着けて実名を名乗り、官位官職を得て公的な世界に入っていくのに対し、女はかぶり物なしで髪を伸ばし、わずかな例外を除くと生涯を幼名で通す。一方、男でも身分の低い者たちは元服できず、童姿で生き続けることになる(牛飼い童は典型例)。つまり、生物学的な男女の差に加え、年齢や身分差が重層的な階梯を作り上げているのだ。これは目からウロコだった。2025/06/08
梨雲
1
ジェンダーのことは言うほど書いてなかったけど、烏帽子取れる=パンツ脱げるとは別種の恥ずかしさだったということは知れて良かった。某大河でも入浴時まで烏帽子被ってて違和感あったけど、プロに「絵巻上の記号」と言われてスッキリ。書き手の畏れ多さの表れかな。古事記で神が自分の行動に尊敬語使うのも同じ理由だったりして2024/05/05