内容説明
日本で唯一のダウン症専門医療機関「愛児クリニック」の院長が、世の偏見・差別に抗しつつ、ダウン症にまつわるさまざまなエピソードを、療育に有用な幾多の知識を交え愛情溢れる眼差しをもって語る。
目次
第1章 教育の認識
第2章 療育が必要なわけ
第3章 早期療育の柱は歩行機能
第4章 知能の発達
第5章 つきまとう差別と偏見
第6章 成人のイメージ
第7章 誤解される退行
第8章 性教育について
第9章 情報の鎖国、日本
第10章 生活編
第11章 ダウン症の重度障害
著者等紹介
飯沼和三[イイヌマカズソウ]
1944年広島市に生まれる。1970年東京大学医学部卒業。1972年国立遺伝学研究所文部教官。1976年静岡県立こども病院医長。1984年南アラバマ大学臨床遺伝学科准教授。1985年国立小児医療研究センター室長。1994年愛児クリニック院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
169
ダウン症児には《我欲が欠落している》…息子を見ていると確かにそう感じる。が、ダウン症の特徴のうち《音楽と踊りに対する感受性の豊かさ》はウチの息子には当てはまりそうもない。或るダウン症児は知能テストで《健常者の標準以上》だったにも拘わらず、特別支援学校に入ったせいで《知的停滞をきたした》という。本書中「退行」と「生活」の章が役立った。また偏見に対する批判には勇気づけられた。ただ、特別支援学校(高校)に通いつつまだ喋れない子を持つ身としては、学校批判や早期療育の話には今更どうにもならない虚しさを感じてしまう。2020/12/12
りんふぁ
4
ダウン症の特徴や癖がわかりやすく丁寧に書いてあって参考になります。直接支援に役立っていきます。良書。2020/01/14
じゃがたろう
2
図書館本。臨床経験豊富な著者によるダウン症解説本。専門書という部類になるかもしれないが、ニッチな育児書ともいえそう。親御さんの不安を払しょくしてくれそうな歯切れのよい文章で、読んでいて心地が良い。エピソードも豊富で、読んで得する本。2025/03/26