内容説明
インディ・ジョーンズも、「となりのトトロ」のパパも。コミックや映画などの大衆文化に登場する考古学者像を分析し、その移り変わりや、人々が考古学や考古学者にどのような印象を抱いてきたのかを考察しながら、考古学と現代社会との関係性を探る。
目次
第1章 考古学者イメージの虚像と実像
第2章 戦前~1970年代作品に登場する考古学者
第3章 1980年代・90年代作品に登場する考古学者
第4章 2000年代の作品に登場する考古学者
第5章 考古学者像の変貌
第6章 映画・テレビドラマ・アニメ作品の中の遺跡
第7章 考古学と現代社会
著者等紹介
櫻井準也[サクライジュンヤ]
1958年新潟県生まれ。1988年慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。慶應義塾大学文学部助教授を経て2007年より尚美学園大学総合政策学部教授。博士(史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サエズリ割津
6
学問的にはマイナーでありながら、フィクションの世界では活躍の機会が多い考古学者のイメージを映画、ドラマ、アニメといった創作物から明らかにしようとする一冊。考古学者というと自分的にはMASTERキートンなんだけど、世間一般の学生はインディージョーンズやワンピースのロビンをイメージするらしい。それからロボットアニメに登場する考古学者(多くは父親)がロボットが発掘されたことを理由付ける装置としての機能を持っているという分析は多いに納得できた。ただの作品列挙に留まらず考古学と現代社会の関連まで言及した良書。2016/07/18
わー
2
創作物上の考古学者像について云々。アニメなどの作品データが新しい印象。サブカルチャー好きも大いに楽しめる一冊。今後にも期待したい。2015/02/15
ヨシツネ
1
1990年代が境であることを明確にした2018/04/17
Mentyu
1
考古学者がフィクションの世界でどう描かれてきたのか分析することで、現実の考古学者と現代社会の関係を炙り出そうとするのが本書の目的となっている。筆者の言うように、日本の考古学者が現代社会と考古学の関係に無頓着かつ無関心である点を踏まえると、非常に意欲的な内容だと言える。しかし、手法が作品の列挙と評論止まりで、まさに考古学者が土器研究で用いる手法をそのまま移植した感じになっている。結論も埋文行政と現代社会は連携していきましょうという凡庸なもの。集成として大変優れているが、研究としては隔靴掻痒の感がぬぐえない。2018/02/21
Ami
0
アニメや映画に登場した考古学者の人物像から、一般大衆の考える考古学者像を探る本。ていうか良くこんなことリサーチしたなあ。映画に疎いし、アニメもメインキャストならともかく一回の登場人物とか覚えてないので流し読みです。そもそも考古学者に限らず研究職に携わる人々は何かしら変わったイメージを持たれていると思うので、この調査結果にどんな意味があるのか疑問が残りました。2017/11/16