内容説明
世界史的にも類例をみないほど長期に継続した縄紋文化の安定と変化のリズムはどのようなものであったのか。地球は縄紋時代草創期の激しい気候変動が終息した後も小規模の寒冷化に見舞われたが、縄紋人の生活世界はその影響を免れなかったであろう。環境と人文・社会の関係性という観点から、縄紋世界の安定期と変化期が気候変動とどのように関係していたかを探る実践的研究。
目次
第1章 縄紋時代をどう見るか―発展段階か構造変動か(構造変動論;完新世の気候変動;気候変動と集落・土器型式の変遷)
第2章 更新世/完新世の縄紋化プロセス―草創期の構造変動(東北日本の削片系細石刃石器群;神子柴石器群;九州の縄文化プロセス)
第3章 8.2kaイベントを巡る考古現象―早期の構造変動(関東地方;南九州地方;東北地方;北海道)
第4章 5.8kaイベントを巡る考古現象―前期/中期の構造変動(前期の定住集落;変動期の社会)
著者等紹介
安斎正人[アンザイマサヒト]
1945年中国(東北地方・海城)に生まれる。1970年東京大学文学部考古学科卒業。1975年東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。現在、東北芸術工科大学東北文化研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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