出版社内容情報
政治・経済・文化の中枢として多様な機能を有した古代武蔵国府。最新の発掘調査の成果を集積し、その機能と内実を明らかにする。
内容説明
政治・経済・文化の中枢として多様な機能を有した古代武蔵国府。長年に及ぶ発掘調査の成果を検討し、主に遺構と遺物の緻密な分析を通して、その景観や規模、さまざまな機能と内実を明らかにする。
目次
序章 古代武蔵国府研究の成果と課題(古代国府研究の動向;古代武蔵国府研究の動向 ほか)
第1章 武蔵国府成立前夜の南武蔵地域(上円下方墳の調査とその意義;七世紀における多摩川中流域左岸の古墳と集落 ほか)
第2章 武蔵国府の成立と展開(初期国司館と国府の成立;武蔵国府の機能と具体像 ほか)
第3章 武蔵国府とその周辺(古代地方官衙における「社」について;竪穴建物からみた武蔵国府と国分寺の景観 ほか)
終章 研究のまとめと今後の課題(面的に広がりを持った機能重視型古代地方都市;国府の成立に関する二面性 ほか)
著者等紹介
江口桂[エグチケイ]
1966年愛知県に生まれる。1988年中央大学文学部史学科国史学専攻卒業。1990年国學院大學大学院文学研究科博士課程前期修了。同年、府中市教育委員会に勤務。現在、府中市文化スポーツ部ふるさと文化財課長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Takashi
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開発等にともなう緊急調査がメインの行政発掘。日々の発掘調査で成果が蓄積されているが、膨大な調査成果を俯瞰的にまとめるのは非常に労力のいること。武蔵国府という古代武蔵、ひいては古代の政治・社会を考えるうえで欠かすことのできない遺跡をフィールドとしてきた筆者の労作。国府の時代は無論、国府成立以前の様相についても記述が多く割かれているのがよい。国府以前に評家があったとの見解は、国庁の成立過程からみても説得力がある。日々行政の仕事に追われながらも、地道な調査成果の積み重ねをまとめた筆者に敬意を表したい。2014/06/26
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- 和書
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