内容説明
縄文文化の華の一つとされる漆製品について、その起源や特色、製作技法、変遷などを考古学的見地から具体的な資料を取り上げながら解明する。
目次
序章 縄文漆文化研究の経緯と現状
第1章 縄文の漆文化の変遷と地域性(是川中居遺跡の漆文化;晩期、亀ヶ岡文化の漆工芸 ほか)
第2章 漆文化のルーツ(ウルシ・漆文化の起源;植物学的研究の進展 ほか)
第3章 ウルシの栽培と漆の製作・利用(集落近辺でウルシの栽培;ウルシの若芽を食べる ほか)
第4章 縄文漆文化の特色(縄文漆文化の成立;漆文化のウルシのルーツ ほか)
感想・レビュー
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いくら丼
5
最初はあまりにもディテールすぎたので、「この遺跡でこの手の物が何点出土して、それはこんなものであった云々」が延々続いて頭に入らず、右から左の感じで……延々読む必要ないなと気づいてからは、一章ガンガン読み飛ばし。ただ、知っている遺跡や遺物が出てくると、詳しいだけあって興味深い。気になるとこだけ整理しつつで、二章は……漆文化発祥に関わる研究史。面白い! 縄文始まった頃の植生が現代と同じわけがないとは思うが、それでも陽樹のウルシは日本に自生しないとの根拠は気になる。こういうのは植物学者に聞く方が良いのかな。2023/09/07
Kouhei Higuchi
0
世界最古の漆塗りは日本で発見されています。今に連綿と続く技術は縄文時代から。自然物である草や木、鉱物などを利用し、収穫、精製、保存、塗リ、乾燥など季節に合わせて作り上げる凄さが出土品やそのモノに対しての専門家の見解から役わかります。 日本人が豊かな自然を利用し共存し技術や芸術を極めていく原点がここにあります。 ものづくりをする方、木材、鉱石、陶芸、アパレル、デザイン、美術、流通、商社、農業、機械加工、など現代のいろいろな職業の人に読んでほしい本です。2024/08/20