内容説明
悪法のイメージをもって世に語られる「生類憐み令」は、世界史上にも例をみない動物愛護の政策でもあった。法令の実相と歴史事象を冷徹に分析し、社会悪是正の一端としてなされたこの政策の真意に迫る。
目次
第1章 綱吉政権の成立
第2章 綱吉政権の初期政治
第3章 生類憐み政策のはじまり
第4章 鷹遣いの停止と鳥類保護
第5章 犬改めと犬小屋の設置
第6章 捨て牛馬・捨子対策―弱者への眼差し
第7章 諸国鉄砲改めと穢れ意識
第8章 人の生活と生類保護
第9章 生類憐み政策と天皇・公家
第10章 綱吉の死と生類憐み政策の動向
著者等紹介
根崎光男[ネサキミツオ]
1954年茨城県行方市に生まれる。1983年法政大学大学院博士後期課程単位取得。法政大学人間環境学部教授。博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maqiso
1
将軍綱吉は仁政のために鷹狩りの廃止、捨子や捨馬の禁止、野犬の保護などを行い、生類をあわれむ心を広めようとした。開明的とも言える思想だが、経済や教育の問題として捉えられないために、上から押しつけるだけの悪政になった感じがある。内容に繰り返しが多くて少し読みにくい。2019/11/05
ut_ken
0
生類憐れみの令について、より詳しく知りたい方向けに。綱吉の政策のみならず、綱吉以前の幕府や各地の大名の政策でも、文治政治の風潮や都市化対策などですでに同様の政策があったことも述べられている。