内容説明
ヤコウガイは本州に生息しない貝にもかかわらず、古代より螺鈿の原材料として珍重されてきた。その供給地域はほとんど未詳とされてきたが、近年奄美大島の古代遺跡から大量に出土し注目されている。本書は、古代~中世段階の琉球孤の国家境界領域を中心とした交易史を、これまでの沖縄中心史観から脱却し、ヤコウガイによって考古学的に明らかにしようとする野心的な試みの書である。
目次
序章 本書の課題
第1章 スセン当式土器の分類と編年
第2章 兼久式土器の分類と編年
第3章 奄美諸島の土器編年
第4章 小湊フワガネク遺跡群の発掘調査
第5章 ヤコウガイ交易
第6章 貝をめぐる交流史
第7章 古代の琉球孤
終章 奄美諸島史のダイナミズム
著者等紹介
高梨修[タカナシオサム]
1960年東京都国分寺市に生まれる。1984年法政大学文学部日本文学科卒業。1989年法政大学大学院人文科学研究科日本史学専攻博士課程単位取得退学。1995年名瀬市立奄美博物館に勤務
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