内容説明
記紀に載録された神話や伝説はどのような観念・思想に基づいて創られたのか。そして伝承者や研究者達にどのように捉えられてきたのか。著者はこれまでの学説をふまえ、前著『記紀神話伝説の研究』以来の研究成果をここに提示し、古代人の心性に迫る。
目次
『日本書紀』巻第一冒頭の記事をめぐって
伊耶那岐・伊耶那美二神が天之御柱を廻ることについて
ヒルコの誕生について
伊耶那岐命による黄泉国訪問神話の成立時期について
牛馬と穀物と
牛馬・穀物・蚕(蚕)の出現・発生神話をめぐって
布怒豆怒神・布帝耳神・天之冬衣神について
八嶋士奴美神より遠津山岬多良斯神に至る神々の系譜について
スクナビコナ神をめぐって
「大年神と其の子孫に関わる記事」をめぐって
アメワカヒコの葬儀に関わる鳥について
発光する神サルダビコについて
臼と杵と天孫降臨と
海神の宮訪問譚をめぐって
カラスが人を先導する話
景行記の「焼遺」・「焼遣」を「焼潰」の誤写とする説
著者等紹介
福島秋穂[フクシマアキホ]
1941年、広島県呉市生まれ。1969年早稲田大学大学院文学研究科博士課程退学。現在、早稲田大学文学部教授
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