内容説明
江戸時代に対外貿易の唯一の窓口であった長崎。そこでの貿易の様相を正確に把握することにより、幕府の商業政策の動向、さらには鎖国体制の実態に迫る。
目次
序章 江戸時代初期の対外関係と長崎貿易
第1章 糸割符に関する諸問題
第2章 貨物市法の展開
第3章 御定高制度の制定と展開
第4章 長崎貿易の幕府直営化
第5章 新井白石の長崎貿易改革
第6章 正徳新例の制定
第7章 貿易品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
16
華やかなイメージがある『長崎貿易』をタイトルにしているが、中身は銀不足に悩む幕府の苦渋の対応を研究した一冊になっている。というのも、江戸時代は鎖国ということになっているが、外国の船は長崎へ来ていて、日本は輸入をしていた。当時は貨幣経済であるから支払いは銀となる。問題は日本はほとんど輸出していない(輸入に来た船がついでに買う程度で銀ベースで比較すると輸入額の5%くらい)ので毎年生産量の何倍もの銀が日本国内からなくなってしまうことだった。(続きます)2020/10/29
たけはる
10
小説を書く資料用。貿易や商学的な方面にまったく知識がなかったため「くっ大学で講義取っとけばよかった……」と歯噛みしつつなんとか読み下しました。もう少し具体的な事例が知りたいのだけど、そうなると「犯科帳」とか読むしかないのかなあ。2020/11/20