感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Red-sky
3
黄晳暎の作品が読みたくて図書館にあったこちらを手に取った。1960~70年代に書かれた中短編集。黄晳暎の「客地」は韓国70年代文学の傑作のひとつと言われていて近代化をめざすなかでの労働者争議を扱ったもの。中編なので状況が細かに説明されてその点は読みやすいけれど労働者の給与や生活費授受の方法はいまいちピンとこず解説が欲しいところ。「月夜を行く」は詳細を描かれていないものの編訳者あとがきによると朝鮮戦争による肉親同士殺し合いの悲劇が30年近くたっても続いてる様を描いているとのことでその背景を知ると深さを感じる2025/06/14