内容説明
農業は、世界中どこでも画一的な市場になじむのか。明治以来多くの先人がこの問題と格闘してきた、新渡戸稲造、柳田國男、那須皓、東畑精一…。彼らの洞察を基に21世紀の「農」を問う意欲作。
目次
はじめに 日本農業経済学の課題
1部 明治期の農政論(農政論が光輝いていた時代;新渡戸稲造の農業本論 ほか)
2部 大正・昭和初期の農政学・農業経済学(那須皓の農政学・農業経済学;東畑精一の農業経済学 ほか)
3部 昭和後期の農業経済学(市場均衡を前提としない農業経済学;国民経済循環の中での農業の位置づけ ほか)
4部 比較農業論の構築に向けて(「世界の多様な農業の共存」に向けて;日本農業の個性 ほか)
著者等紹介
原洋之介[ハラヨウノスケ]
1944年兵庫県生まれ。1972年東京大学大学院農学研究科博士課程修了。1976年農学博士。東京大学情報学環・東洋文化研究所教授。専攻は経済発展論、アジア経済論、農業経済論。著書に、『クリフォード・ギアツの経済学』(リブロポート、1985年、1986年度発展途上国研究奨励賞受賞)、『東南アジア諸国の経済発展』(東京大学東洋文化研究所、1994年、第12回大平正芳記念賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
6
著者からはグローバリゼーション論やアジア農業など参考にしたい。日本農業と西欧農業の違いは、理論的にも当然違うはずだが、グリーンツーリズム農政は移植しようとしたのは否めない。祖田修先生の本にもあったが、ドイツは官房学の農政学。カラメル・ヴィッセンシャフトとしての史学派経済学(23頁)。新渡戸稲造『農業本論』32頁~。農学博士本邦初の横井時敬の小農論(40頁~)。農学栄えて、農業滅ぶ(48頁)。社会学栄えて、社会滅ぶともいえるかな。河上肇農政学。柳田国男農政学。柳田的民俗学と農学の融合は魅力的。東畑精一農経。2013/09/05
Sanchai
0
明治から昭和初期の農政論を知りたくて読みました。特に那須皓について知りたいと。でも、那須博士の思想に関する記述はちょっと難しかった。柳田國男や東畑精一のところが印象に残った。2011/06/21
kenken
0
ひとまず第一部明治期の農政論まで。柳田国男の農政への卓見と民俗学への展開が感動的ですらある。2010/07/15
-
- 洋書
- SOURNOIS