内容説明
かつて日本にも影響を与えたロシアの教育の今を追う。改革を支えるソビエト教育の理念にも言及。
目次
第1章 教育制度はどのように変わったか
第2章 教育課程改革の展望
第3章 教育政策の動向
第4章 民族言語政策と教育
第5章 新たな教育現実と向き合う―親の思い、メディアの声
第6章 教育改革を支える理念を探る
著者等紹介
岩崎正吾[イワサキショウゴ]
1948年、熊本県生まれ。広島大学大学院博士課程後期単位取得退学。教育学修士。東京都立短期大学教授を経て、首都大学東京大学院人文科学研究科教授
関啓子[セキケイコ]
1948年、千葉県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。社会学博士。一橋大学社会学部教授を経て、一橋大学大学院社会学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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晴天
1
ロシアの教育は、ソ連時代において学術・芸術が重視された良い遺産を引き継ぎつつも、課題もまた多い。ソ連時代における階層移動を容易にした共産党との親和性の高さが評価される仕組みから全国統一試験が進学を左右する仕組みへの変更については、評価が平等になったと歓迎する声が多いが、子供の生まれの経済力や文化資本が如実に反映される。言語や文化をめぐる多民族社会故のアポリアも正解はなく、帰還ロシア人や移民への対応など新たな問題も生まれている。本書の出版から10年以上経つが、本書で取り上げられた問題の推移は気にかかる。2021/08/18