内容説明
強面なロシアの資源外交は、ヨーロッパの政治と経済の間にある「エネルギー安全保障」にどう影響してくるか、協力の可能性を探る。
目次
1 ヨーロッパ・エネルギー安全保障問題の顕在化
2 エネルギー大国ロシアの実態
3 EUのエネルギー事情
4 ロシアにエネルギー戦略はあるか
5 EUは共通エネルギー政策を実現できるか
6 ロシアとEUのエネルギー対話とその行方
著者等紹介
坂口泉[サカグチイズミ]
1954年生まれ。1977年上智大学外国語学部ロシア語学科卒。1981年早稲田大学文学部大学院前期課程修了。モスクワ市プーシキン大学語学留学、フリーの翻訳家を経て、1988年に(社)ロシアNIS貿易会(当時、ソ連東欧貿易会)入社。現在、同会ロシアNIS経済研究所次長。専門は、エネルギー分野、自動車産業を中心としたロシアの産業全般。論文多数
蓮見雄[ハスミユウ]
1960年生まれ。東京外国語大学大学院地域研究科修士課程修了後、明治大学大学院経営学研究科にて経営学を学びながら、(社)ロシアNIS貿易会(当時、ソ連東欧貿易会)に勤務。その後、オランダ王国立ライデン大学客員研究員などを経て、立正大学経済学部教授。専門は、ロシア・EUの経済関係(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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DIVERmope
2
過去に研究した露エネルギー計画の復習を兼ねて読む。ロシアのみならず、EU側のエネルギー事情にも言及し、数字とともに欧露のエネルギー関係の推移を追っているので、ロシアを軸としたエネルギー問題の入門書としては最適であろう。ただ、途中筆者の主観が強くなる箇所が何点かあるので、自分でその幅を差し引きして読み解く必要がある。近年極東パイプラインと極東開発を進めるロシアと、極東開発を通じて歩み寄りを見せつつある日本との未来を考える上で、ロシアのエネルギー事情とそれに伴う外交に関して述べた本書は、非常に有意義である。2013/10/19
晴天
1
経済情勢についてはあくまで15年前の現状分析とそれに基づく見立てなので隔世の感を覚える部分も多いが、エネルギー戦略なる名称の文書はあるがこまめに刊行されたものが複数あり、状況に応じて対応する「戦術」の集合体ではないのかという指摘はなかなか刺激的だった。2022/03/07