内容説明
「ソヴィエト・テルミドール」はスターリン体制を生み出し、ソ連崩壊後のロシアの政治潮流をも貫いている。この解明こそが、ロシア革命と今日のロシア政治を理解する鍵だ。
目次
序章 体制転換―歴史学パラダイムの転換
第1章 十月革命とフランス革命との類推
第2章 ナショナル・ボリシェヴィズム―テルミドールの「哲学」
第3章 ボリシェヴィキとウストリャーロフ
第4章 テルミドールの理論と分派闘争
第5章 テルミドールとスターリンの「体制転換」
著者等紹介
クラウス,タマシ[クラウス,タマシ][Краус,Тамаш]
1948年生まれ。ハンガリー・ロシア学研究所、ブダペスト大学東ヨーロッパ部部長・教授として、ハンガリーにおけるロシア学を先導している
堀江則雄[ホリエノリオ]
1947年生まれ。東京外語大ロシア語科卒。国立国会図書館勤務を経て新聞記者(ワシントン、モスクワ特派員)。現在、法政大学非常勤講師、ユーラシア研究所事務局長
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感想・レビュー
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Rick‘s cafe
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スターリン期ソ連の「体制転換」の萌芽は、ネップ期にすでに存在していた。この主張自体は決して新しいものではないが、本書では道標転換派が生み出したイデオロギーである「ナショナル・ボリシェヴィズム」とそれに付随する「ソヴィエト・テルミドール」論に着目する思想史的なアプローチを取る。これは単にスターリン期に特有のものではなく、その後ソ連という国の精神的潮流を貫くものであった。内容自体は非常に重要だが、一方で訳が読みにくい。逐語訳的な語順や、道標転換周りの専門用語の訳し方など、余計にわかりづらい部分が多々ある。2021/08/01




