内容説明
京の着倒れ、大坂の食い倒れ、江戸の呑み倒れ。「諺」を通して江戸時代大坂の相対的位置を探る。
目次
1 大坂と「食い倒れ」
2 「食い倒れの大坂」観の成立
3 天下の台所への道
4 大坂三大市場の整備と石丸定次
5 町の建設は町人の手で
6 江戸と大坂―逆転の構図
7 食・住にみる逆転
著者等紹介
渡辺忠司[ワタナベタダシ]
1947年(昭和22年)、愛媛県に生まれる。大阪経済大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在、大阪市史料調査会主任調査員。仏教大学・大阪大学非常勤講師。日本経済史(近世)専攻
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感想・レビュー
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のりたま
1
「京の着倒れ、大坂の食い倒れ、江戸の吞み倒れ」という諺をテーマに書かれた大坂の歴史の本。食い倒れが大坂から江戸に取って代わる過程を追っている。「諺」という語は近世には現在より軽い意味で使われているので、筆者が言うほど重い意味はないのではないか。167頁池田正樹『難波噺』について、池田が引用した節用集がいつごろのものか不明とあるが、これは池田の記憶違いで『節用集』ではなく『人国記』にある記述だと思う。三都を比較した狂詩は江戸時代に流行し、食い倒れの語も当然出てくるが、用例がまったくないのが残念だった。2020/08/28
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