内容説明
中日戦争が泥沼化し、太平洋戦争に突入したあと、日本軍は中国大陸でさらなる残虐行為を犯していた。侵略戦争の事実を強く否認し、身構えてきた戦後の日本社会のなかで私たちはどのように生きてきたのか。悲惨な事実を前にしてなお傷つかない日本人の、負の遺産の継承を考える。
目次
第1部 三光作戦―焼きつくし、殺しつくし、奪いつくす(三光作戦とその背景;山西省での初期三光作戦;長城線の村々につくられた「無人区」;北〓村の毒ガス事件)
第2部 明らかになる細菌戦(中国における細菌線調査の現状;中国各地の細菌戦被害を告発する)
第3部 日本社会の現状をどう越えていくか(日本の心の文化を問い返す;加害の国、日本の加害者、私;日中高校生の歴史認識と教科書問題;大人のための「戦争論」―戦争認識をめぐるアイデンティティ・クライシス)