内容説明
本書は、編者の退任記念論集として企画され、編集委員会が主となって同学の方がたに御寄稿を依頼し編集を進めていたものである。神道に係わる論文が多数を占め、その他日本宗教の諸問題や、さらに広い宗教思想・宗教文化に及ぶ多彩な内容が含まれている。
目次
神道の生命観―構造神学試論
神と神を「よそう」者の祭り
古代の「大社」についての覚書
氏神鎮守社の再生―遷宮祭と神社復祀に関して
『神皇正統記』における神道と儒教―「天命」の解釈をめぐって
記紀の神々とインド古代の神観念
伝教大師の比叡神信仰
山王一実神道の特質
空海の神祇観
高野山の開創をめぐって―弘法大師と丹生津比売命
虚空蔵求聞持法とその展開
中世羽黒修験の一山組織
日本の家訓における神道的契機
宗教現象における原初体験としての音声の考察
死者と豊饒―柳田「固有信仰論」の外延
奪衣婆/姥神考
教祖と貧―差別の視座から
J・ロックの政治論にみられる或る意義について―宗教的自由実現の道
欧米における“Popular Religion”の研究動向
風の言語
バハオーフェンの『母権』に関する覚書き
慈悲と論理展開
「型」論序章―「視点」と「型」の「顕われ」
メコネの「牛の分配」をめぐる罪と罰―ヘシオドスの『神統記』と『仕事と日々』より
南インドのヒンドゥ寺院政策―チダンバラムのナタラージャ寺院をめぐって
研究生活の回顧