内容説明
福島原発処理水海洋放出の痛みを分かち合うために「メディアがすべきこと」「私たちにできること」。政府方針を受けて緊急出版。
目次
第1章 トリチウムの海洋放出と偏ったメディア報道(処理水問題の構図の特徴は何か;問題をこじらせるメディア報道の5つの要因 ほか)
第2章 私は「処理水問題」をこう考える(トリチウム20グラムの重み;トリチウムの性質から言えることは何か ほか)
第3章 海洋放出をめぐるリスクコミュニケーション(よき理解者を得るための「納得」の構造とは;トリチウム処理水を正しく理解する「スマート・リスクコミュニケーション」とは―海洋放出のリスクはどの程度か)
第4章 風評を抑えるために何が必要か(過去の事例から学ぶ教訓は何か;英国から学ぶ科学コミュニケーション ほか)
第5章 「サウンドバイト」と「痛み」の分かち合い(冷たい科学よりも義侠心か;核ごみの文献調査を引き受けた寿都町に感謝しよう ほか)
著者等紹介
小島正美[コジママサミ]
食・健康ジャーナリスト。1951年愛知県犬山市生まれ。愛知県立大学(英米研究学科)卒業後、毎日新聞社入社。松本支局などを経て、東京本社生活報道部で編集委員として食や健康・医療問題を担当。2018年に退社。2015年~2021年4月「食生活ジャーナリストの会」代表。東京理科大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SNagai
0
福島からのトリチウム水放出に関する複数の人の意見を集めたもの。放出への賛否両論が集められていると思って読み始めたが、全部放出が妥当であるとの立場で、いかに国民の合意を得るか、についての意見であった。読んでみるとたしかに放出は妥当であると思う。この問題に限らずリスクコミュニケーション、ごく短時間でポイントを伝えるサウンドバイトの技術、広報担当の重要性を理解した。2021/11/06
K
0
(202107,519.4)本日、沖合放出の報道。風評を排し科学的に論じようとする良書だが、全く読まれていない。いかに、内容よりも売り出し方かと残念。元毎日記者編だが、「汚染水」呼称の古巣を批判、いかに地元紙と中央紙に乖離があるか。バズビー、崎山氏ら懐かしい(=忌まわしい)煽りの専門家の名前に、進展せぬこの10年を思う。HPVワクチンと処理水の類似、リスコミより松井前大阪知事が「大阪で引き受ける」義侠心が有効との話に納得。細野さんも頑張ってるけど。寿都町の今後を見守っていきたいが、多分つぶされるだろう。2021/08/25