内容説明
東日本大震災から10年…原子力について、あまり関心のない大手電力会社の一社員だった主人公の女性が、震災を機に社会の不条理と自身の矛盾という壁にぶつかり、見方を変えてゆく。ミステリアスな「現代アート」×「エネルギー」小説。第7回エネルギーフォーラム小説賞受賞作。
著者等紹介
青木ゆうか[アオキユウカ]
法政大学大学院修了。エネルギー関連企業勤務。『掌を空に』で第7回エネルギーフォーラム小説賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん🍊
90
夫婦揃って東京電力の社員である里美はあの日は箱根へ行く高速道路の車中だった、夫の実家である福島の両親は被災し、避難生活を送る事になる、神奈川の人事部で新入社員研修を控えていた里美も混乱を余儀なくさせる、10年後福島を風化させない、復興をしていく福島を見て貰いたいと願う彼女が起こした奇跡は彼の人の現代アートだった、震災、コロナと目に見えない破壊を経験した人間はその後の創造に前を向いて生きて行かなければならない、希望あるラストでした。2021/11/02
FOTD
21
原子力についてあまり知らなかった主人公は、3.11 を機に様々な矛盾に気づく。それでも辛さに耐えながらもあきらめずに精一杯行きていく。彼女が困難にチャレンジして成長していく姿に心を掴まれる。あきらめなければ、必ず希望はあるんだ!2021/05/06
眠り猫@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
9
東日本大震災、東京電力、福島第一原発、そして今日までの日々。 掌を空に向け、未来を掴み取ろうとする人々。 バンクシーならぬ〈パンクシー〉が描いた少女のアートが表すものは全ての望み。 小説としてはマルっとまとまっているとは思うのですが、もう少し内容が濃かったらもっと面白かったかなぁ、と思いました。 どうやら「エネルギーフォーラム小説賞』とやらの受賞作のようで、それでこの内容なのですね。納得でした。 2021/05/29
Toruo555
0
フクシマとバンクシー。東電社員の子供がいじめにあったりした事、時が経って忘れていた。2021/11/14