内容説明
無為の境地を味わう。二五〇〇年の時を越え、真理の響きがまっすぐに届く「道」の詩。中国語も日本語も母国語の詩人だからできた老子の「声」が聴こえる翻訳。
目次
不思議の不思議
美しさと醜さ
聖人の治世
神に先立ちて
偏愛を知らず
谷の精
聖人は無私
最高の人
天の道
身体と魂〔ほか〕
著者等紹介
王明[オウメイ]
1945年、神戸市生まれ。中華同文学校小・中等学校、兵庫県立御影高校卒業。1964年同志社大学文学部美学科でカントを専攻。1968年、新華社東京支局参篇部に入社、新聞報道を多数翻訳。1973年、横浜にて中国語専修の私塾を開設、中国語の普及に努める。1995年より著述に専念、メルヴィン・ウォンの筆名で詩集『共時宮詩稿』(書肆山田)を出版
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感想・レビュー
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D21 レム
9
老子は紀元前5世紀ごろの思想家。20世紀後半になって、地中から思わぬ重要な資料が出土。出土資料とこれまでの刊行本数10種類をまとめたテキスト。「自分しか眼中になく傍若無人で身分を奢る者、こんな者はタオから見れば余り物の残飯そのものであり タオにある者はこんな連中からはただただ逃げ出したいと思うばかり」「ただ先を争って知識をあさりつづけるのは真理から遠く離れた偽りの姿であり 馬鹿の始まりである」「道を歩むものは退いているように見え」「正義を騒ぎ立てるのは愛よりも余程低いものである」。残飯…馬鹿の始まり…。2014/07/30
NDS
6
やはり難しい。当たり前だが、抽象論が多く取っ付きづらい。読んだ印象としては、人生論というより治政論を主として述べていてるように読まれる。儀や礼を重んじた孔子に対して、そんなものばかりに主眼を置くと世が乱れると論じた老子。どちらも間違ってはいないんだろうけど、この意見の差異で二人は仲が悪くなったんだからなんとも。 その一方で、第八十章など資本主義への限界も述べられている(ような気がする)。 何度か読み返さなければ、到底真意が見えない老子である。2014/12/21
qualia
3
図書館に夕方から行って、閉館までに読み上げた。前に目をつけておいた、読みやすい翻訳。原文が灰色になっているのは訳を読んでほしいということなのだろうか。原文と比較しながら読むとき、原文を読むための手引きというか、工夫がしてあると嬉しい。和訳がどのように作られているのかわからないが、意訳になるのだと思う。加島訳に続いて、老子再入門2冊目といったところかな。学術書にも挑戦したい。2009/06/30
まりも
2
老子のことば集。今自分達がうだうだしてることも、昔からその都度語り継がれてる事なんだなぁと思う。2011/05/27
高体温
0
足るを知る事。自分を知る事。 道(タオ)はいつも受け入れてくれている事。 他の老子の本も読んでみたい。2017/01/31