内容説明
生涯、ヒマラヤと森を愛した詩聖ミラレパ―巡礼にして潜入。それは奇妙な旅だった…。
目次
第1章 ヒマラヤの北
第2章 辺境の村
第3章 キャラバン
第4章 峠越え
第5章 検問
第6章 森の聖地
第7章 ラプチ
第8章 脱出
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フクミミ
1
ミラレパというチベット仏教の聖者の足跡をたどる旅のエッセイ。 チベットとネパール、中国にまたがる聖地はその土地で気候風土が変化し 人々の風俗も変わってゆく様が興味深い。 ミラレパが残したという伝記や詩の部分はナナメ読み。 チベットやネパールの聖地の巡礼とはなんともエキゾチック。 もう少し写真がたくさん見たかった。2013/08/21
うちこ
0
旅の道程で感じたことから読み取った歴史背景、今そこに生きている人の生活の知恵、ミラレパの物語がすべてつながっている。読んでみると、現代のチベット問題について書かれた山際素男さんの著書「チベット問題」ともリンクする。東洋のなかにありながら、その苛酷な自然環境によってあきらかに他国とは違うなにかと、チベット仏教の不思議な独自性。いろいろなことがギュッとつまっているのだけど、その厳しい道のりや「いつ警察に捕まるか」とハラハラする展開に、どんどん先を追ってしまう旅行記。2009/05/18
えぐざいる
0
セブンイヤーズインチベットの余韻で図書館で手に取りました。旅行記は、それがきっと自分の掌にある場所でも読んでてとても引き込まれます。あてどなく、無謀で、珍しい文物、人との出会い、その人との出会いは旅行記では必ずしも歓迎されないドライなものであっても、孤高の旅先で人肌に触れ合う安心感と、エイリアンとしての距離感。同世代、思い込みが激しくて不器用なバックパッカーの旅行記にワタシもチベット/ネパールの数千メートルの高低差をアップダウンして真っ青な空に身を曝している気分になりました2010/09/06