内容説明
戦いの国に、争いの中に、人々の心の平穏を祈って太鼓を撃ち鳴らしひたすら歩く。これは世界に希望を与え続けたひとりの僧侶の魂の物語である。
目次
プロローグ 我が友ルースラン
第１章 出家への道
第２章 私を導いたインド
第３章 ヨーロッパへの祈り
第４章 心に秘めた信
第５章 ユーラシアに還る
エピローグ ユーラシアの夜明け
感想・レビュー
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風見草
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世界で平和を祈念して太鼓を叩きながら南無妙法蓮華経を唱えて歩く寺沢潤世の半生記。寺沢は"お師匠様"の藤井日達上人に戒められたようにスタンドプレーが目立つが、その分フットワークは軽く、ロンドン、東ベルリン、湾岸戦争下のイラク、ロシアなど各地で遊行や平和活動を行う。しまいにはコーカサスの青年との出会いが縁となって、ロシア兵士母の会と共にチェチェン紛争真っただ中のグロズヌイへ向けて平和行進を行う。このエピソードは壮烈。一人の行動が多くの人間を巻き込む様は、「信の力」を何よりも雄弁に物語る。
