内容説明
20世紀最後の哲学者といわれた森信三、97年の足跡。
目次
心に刻んだ自銘の句
複雑な生い立ち
小学校時代の思い出
愛知第一師範に入学―第一修学期
広島高師へ進む―第二修学期
京都大学哲学科に入学―第三修学期
学問・人生観に開眼した大阪時代
辛酸忍苦を味わった建国大学時代
命からがら祖国へ
浪々七年
神戸大学教授に就任
旅から旅へ教育行脚
全集二十五巻の刊行を発表
『幻の講話』の執筆に取りかかる
「実践人の家」の誕生
「全一学」の提唱
八十五歳の大患
「新全集」の刊行
いのちは永遠に
著者等紹介
寺田一清[テラダイッセイ]
昭和2年大阪府生まれ。旧制岸和田中学を卒業し、東亜外事専門学校に進むも病気のため中退。以後、家業の呉服商に従事。40年以来、森信三師に師事、著作の編集発行を担当する。社団法人「実践人の家」元常務理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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epitaph3
5
修身教授録から森信三を知った。あいさつ、返事、後始末のしつけ三原則は、森信三を知った10年以上前、目から鱗だった。森信三がどんな人生を歩んできたから知らなかった。ゆえに手に取った小伝は、なんという苦しい人生だったのかということだった。苦しいかは本人しかわからないが、したい学びができず、しかし養父母に感謝ばかり、満州引き上げ後の借金、自殺企図、妻の入院、執筆、旅、息子の死…。おそらく、どれも、人生を構築する上で必要なことだったにせよ、自分は97歳になったとき、どう振り返ることができるだろう。2015/12/30
フィロ
3
素晴らしい人がいるんだなぁ(゜-゜)2012/03/10
xasquithx
2
哲学者、教育者 森信三氏の自伝。京都大に入学できたのは28才といったように、終始エリートコースとは言えない回り道を余儀なくされる。卒業後も、望まない建国大学への赴任、敗戦後の引き上げ、ご家族の不幸など、苦労が重なる。しかし、これに心が折れる事なく、教育に対する情熱を燃やし続けた人生の凄まじさには感動を覚える。 晩年、懺悔として未解放部落に入居されるなど、葛藤が感じられる部分は、心境を深く記載されていないのが残念だ。2015/10/31
TAKE
1
地位や名声に一切興味を持たず、ただただ日本教育の発展に身を捧げたある男の一生。著者は「私は生き方の研究を行っている」と述べた。表面は苦労だらけの人生である。しかし、生きる上で芯となるもの•大切にしているものを持っている人であった。あなたは何か大切なものはあるだろうか?豊かな現代こそ知っておきたい人物である。2014/03/18