著者等紹介
オースター,ポール[オースター,ポール] [Auster,Paul]
1947年生まれ。アメリカの作家。『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の「ニューヨーク三部作」のほか、最近の邦訳に『闇の中の男』『インヴィジブル』『サンセット・パーク』(すべて柴田元幸訳)など
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年生まれ。翻訳家。ポール・オースターをはじめ現代アメリカ文学を中心に翻訳。現在、文芸誌『MONKEY』の責任編集を務めている
タダジュン[タダジュン]
1971年生まれ。版画家、イラストレーター。版画の技法を使って書籍や雑誌のイラストレーションを中心に活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
211
ポール・オースター、2作目です。この時期に相応しい少し変わった心温まるクリスマス・ストーリーでした。村上春樹が好みそうな物語、テイストです。本書は、気軽なクリスマス・プレゼントでも好いかも知れません🎄 http://www.switch-pub.co.jp/auggie-wrens-christmas-story/2021/11/12
buchipanda3
109
ブルックリンの繁華街にある葉巻屋に勤めるオーギー・レンが語ったクリスマス・ストーリー。とても短い話だけれど、人生模様が醸し出す苦みのある深みがじんわりと素直に感じられた作品だった。こういうクリスマスものも良い。オーギーが曰く付きのカメラで毎朝同じ時間に同じ場所で撮影したNYの何気ない街角の様子。そこに映る人たちにもそれぞれが抱える人間模様がある。普段は流れていくばかりの中、クリスマスという特別な時間に立ち止まって自分の特別な想いを見つめてみるのもいいものだ。タダさんの挿絵も雰囲気にとてもマッチしていた。2021/12/23
やいっち
108
ポール・オースターファンの我輩。図書館通い時代にあるだけの作品を読んだ。帰郷して買って読めるようになって再読を兼ねて買い揃えていった。物語を信じるオースター。本作は彼の物語作りの原形を感じる。タダジュンの単色の絵が物語世界を膨らませてくれてる。2024/02/15
アキ
89
いまさら「クリスマス・ストーリー」と言っても、ハート・ウオーミングなものも食傷気味だし、子ども向けの絵本もなー、と思っているあなたにぴったりの大人向けの物語です。といっても本当の話かどうかはわからない。何しろコート・ストリートにある葉巻店の店主オーギー・レンが、近くの食堂で昼飯のおごりの代わりに話してくれたものだから。めくらの婆さんにクリスマスの日に孫のロバートの振りをして祝ってあげた代わりに、新品の盗品のカメラを頂いたって訳さ。でも3,4か月して返しに行ったら、そこはもぬけの殻だった。それだけの話さ。2021/12/11
ずっきん
73
わざわざクリスマスを外して読む。そんなひねくれた大人にもぴったりのクリスマス・ストーリー。絵本が出てるなんて知らなかった。読み友さんたち、ありがとう。2021/12/27