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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
102
特集は岸本さんと柴田さんの短篇競訳という何とも惹かれる内容。6名の作家、計8篇を収録。柴田さんにとって「変」は最高の誉め言葉だそうで、岸本さんも変嗜好なはず。その二人が選んだ風変わりな読み味を楽しめた。クシュナーのはどことなく不気味。ノルウェー人作家の妻の存在を気にしながら読んでいた。ノーダンのは揚げ揚げな感情にぐいと引っ張られ最後の自己肯定的な解放感がいい。Dジョンソンのは粘りつくような空気感。不安と祈りが交じる。訳者二人の対談では、幻想的なアイデアを現実的な描写が支えるという解説になるほどと合点した。2021/03/12
kazi
32
攻めた短篇ばっかりで面白かったです!ルイス・ノーダンさんの「オール女子フットボールチーム」という作品が衝撃だった。主人公は高校生?学校の催し物で女子だけのアメフトチームが組まれ、アメフトの格好をした女子を見て女性美に目覚める。男子である主人公はチアリーダーをやるのだが、最初は嫌で嫌で仕方なかったのに、やってるうちにだんだん身も心もチアリーダーになってきちゃって・・、みたいな話。ジェンダーについてここまで突っ込んで書いた作品って私は久々に読んだな~。この作家、ほかの作品も読んでみたくなりました。2021/02/20
tokko
18
柴田先生は言わずもがなですが、岸本佐知子さんもこんなに面白い小説を翻訳していたんですね。知りませんでした。いろいろ面白いんだけど、特に「オール女子フットボールチーム」は久々に「とんがった」小説を読んだ気がしました。「アホウドリの迷信」も不思議に印象に残るものでしたし。冒頭に柴田先生が書いていましたが、「変」ですね、もちろんいい意味で。2021/03/05
まさ☆( ^ω^ )♬
10
特集は「ここにいいものがある。」という事で、全然知らない作家の短編がずらり。面白いものと、意味分かんないものと、色々あって楽しめた。こういう雑誌でないと出逢えない作品もあって、気に入れば世界も広がるものです。特集以外では、イッセー・カバーズが面白かった。さて、これでMONKEYの新品で手に入るバックナンバーは全部読破したので次の最新号を待つばかりですが、時折ランダムに再読してみようと思います。ほんと、この雑誌面白い!2021/12/01
綿
8
岸本訳『オール女子フットボールチーム』はオール女子フットボールチームの内側(女子)の視点ではなく、それを指をくわえてみている「女どうしの絆に嫉妬する」男子視点なのがいい。男子によって女子が客体化されているのではなく、主体を取り戻した女子を見つめることによって自らを客体化の対象とし、最終的に男子の自分を意識し直す物語。それがユーモラスかつ切実なものとして語られているところが好きだ。男の子になりたい女の子の物語を読んでいた頃の自分が、これって「男の子になりたい女の子になりたい男の子」の話じゃない!?と興奮。2021/03/13