内容説明
安曇野の東を流れる犀川と高瀬川の傍で生まれ育った将軍歌人の斎藤瀏。大正デモクラシーを牽引した画家の望月桂。木崎夏期大学創設者の平林広人。明治・大正・昭和の激動迷走した時代のさまざまな声が聞こえてくる。
著者等紹介
山崎人功[ヤマザキヒトノリ]
1929年東京市目黒区に生まれる。1945年日本医科大学入学。1987年農民文学賞受賞。2016年文芸思潮エッセイ優秀賞受賞。2020年岬文壇エッセイ最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moti moti
0
皇道派軍人で歌人の斎藤瀏、画家で活動家の望月桂、社会教育に尽力した平林広人、同郷で同時代を生きた3人を主人公とした小説。親戚同士でもある望月・平林と違って、斎藤は、他の2人と交わることはない。特に斎藤と望月の2人は、芸術家で思想家と言う共通点もありつつ、ほとんど敵対的と言えるほど対照的である。しかし、国や社会を憂い、歴史の波に揉まれつつ、明治大正昭和を飄々と生き抜いたと言う意味では似ているのかも。個人的には、暴力的な煽動をした挙句、「楽しき夢」と歌いながら天寿を全うした斎藤に共感できるものは何もないが。2025/05/20
-
- 和書
- 2050年のメディア