内容説明
自らの境遇に打ち勝ち、貧者や孤児の為にその生涯を捧げた爪生岩は、社会事業家として広く世に知られている。戊辰戦争時の落城の際は、敵も味方もなく傷病兵やら、窮民らの看護に当たり、それ以後も敗戦の荒廃の中にあって、私財を投げ打ってまで、子弟の教育に尽くしてきた。そして後には窮児孤児の為に救育所を設立したり、施療病院も建てているのだ。社会愛、人道愛の権化は全身これ悲願菩薩の再来かとも―。会津の生んだ偉大なる爪生岩外、二篇の生と死、殉難と辛苦の道程。それは必ずや多くの人達の共感を呼び覚ましてくれるであろう。ユニークな会津女性の生き方こそは、郷土の誇りだと云ってもいいのである―。
著者等紹介
波村雪穂[ハムラユキホ]
東京都出身。新劇団「現代座」文芸演出部・演出助手。「東宝株式会社演劇部」日劇制作室。舞台監督兼演出助手を経て後、映画に転向。「劇映画」「TV映画」「教育映画」「記録映画」。演出作品多数。現在は執筆に専念の身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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