内容説明
能楽の創始者、観世観阿弥にまつわる怨念?そしてシェークスピアに先立つこと200年。世界の芸能史に名をとどめる観世世阿弥、鬼才元雅、そしてその家族を襲う、酷薄、非道、残虐無比、足利将軍義教の魔手。芸能界必読書「風姿花伝」を始め古典作品と新資料を根底に、奇跡と悲劇の一族が日本史の襞から蒸発したその経過を白日にさらす雄渾、巨編歴史小説。秘められた恋。渓流に跳ぶ化生の老婆。浅間神社に響く怪しの凶器。遊女の秘所に合掌する一休禅師。そして血飛沫に飛んだ将軍の生首。佐渡に流された世阿弥の結末は。これを読まねば日本史に穴があく。
著者等紹介
秋月ともみ[アキズキトモミ]
1934年、神戸市出身。1955年、同志社大学法学部卒業。卒業後レコード会社にディレクターとして人生の一歩を歩み出したが会社倒産のため上京し、毎日新聞傍系で音楽事業に携わるも再び会社倒産。離職して後は大道での叩き売り、レコードショップ等を経て、再び自立。制作界に戻って後、LP企画、作詞、演劇指導、演出、TV台本等に従事。ディックミネ、天津羽衣から大川栄策、梶芽衣子、島倉千代子他多数を作詞。古賀政男氏の附曲も多い。一方、ヤーナ・スミノフの名で戯曲を手掛け、演劇の弟子も多い。小説は処女作「おりおと重三郎」が月刊文芸誌の新人賞次点に入賞したが、後は制作・演出の傍ら時代物や長編を書く現役制作者最古参の一人
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