内容説明
家族法の重要論点にかかわる事例を取り上げ、問題解決に向けた考え方の筋道を説く新しいスタイルの演習書。事実認定や法的な議論の仕方、要件事実と証明責任の問題や、判例の前提とする事実関係と判例の射程の捉え方など、全ての法学の学習や実務にとって前提となるテーマとあわせて、家族法と財産法の原理との相違点、相続法における法的安定性の意味、家族紛争の解決の仕方(合意による自主的な解決の支援)などを取り上げた。同著者による『家族法 第4版』との相互参照についても配慮した。
目次
婚外関係の法的処理―事実認定の仕方
日常家事債務の連帯責任―議論の仕方と証明責任
有責配偶者からの離婚請求―「破綻」とは何か(評価的要件事実)
夫婦財産制と財産分与―財産法の原理と家族法の原理
離婚後の子への配慮―子どものいる夫婦の問題解決の手法(家事紛争の特性)
親子関係の成立と否定―判例の射程と子の福祉を守る視点からの解釈論
親権者の利益相反行為―子の利益と取引の安全
債務の承継と熟慮期間―市民感覚の解釈論
遺産から生じる果実の帰属―判例の前提とする事実関係と判例法理
高齢者介護の法的評価―扶養と相続、契約的発想〔ほか〕
著者等紹介
二宮周平[ニノミヤシュウヘイ]
1951年横浜に生まれ、のち四国の松山で育つ。1974年大阪大学法学部卒業。1979年大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。1985年松山商科大学より立命館大学に移籍。1991年法学博士(大阪大学)。現在、立命館大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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