ルワンダ大虐殺―世界で一番悲しい光景を見た青年の手記

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784883806041
  • NDC分類 956
  • Cコード C0098

内容説明

ツチ族とフツ族という、2つの部族の根深い対立を抱えたルワンダ。表面的には平穏さを装っていたが、ある日を境に事態が急変する。フツ族出身の大統領が、何者かによって暗殺されたのだ。ラジオでは、さかんに同じメッセージが繰り返された。「暗殺はツチ族の仕業だ!ゴキブリどもを叩き潰せ!」この事件をきっかけに、フツ族によるツチ族の虐殺が始まった。それまで仲良く暮らしていた近隣の住人たちが、レヴェリアンの家族に襲いかかる。そして、この世のものとは思えぬ惨劇が、目の前で繰り広げられていくのであった。100日間で100万人が殺された二十世紀最後のジェノサイド。家族を殺され、片目と片腕を失い、それでもなお生き延びた著者が語る「ルワンダ大虐殺」の真実―。

目次

三つのキーワード
幸せな日々
順境にあっても逆境にあっても
楽園から地獄へ
死の園
母の赤いスカート
牛には止めを刺すが、ツチ族には止めを刺さない
殺戮者たちよ、私に救いの一撃を
暗闇の三日間
ムギナへ帰る
つきまとう殺戮者
正面から自分を見つめる勇気
赦すなんてできない
カインのフツ族対アベルのツチ族
アウシュヴィッツへの旅
Ibuka(忘れるな)
もう信じてはいない神に言いたいこと
ツチ族のキリストの叫び

著者等紹介

ルラングァ,レヴェリアン[ルラングァ,レヴェリアン][Rurangwa,R´ev´erien]
1979年ルワンダのムギナに生まれる。1994年4月のルワンダ大虐殺の際に重傷を負いながらも、家族44人の中でただ一人の生き残りとなる。その年の12月にスイスへ亡命。1996年、ルワンダに帰国し、難を逃れた親族たちと再会を果たす。その際、自分を襲った男たちが投獄もされず自由に暮らしていることを知り告訴するが、路上で脅される等、何度も死の危険にさらされる。ルワンダ当局に対する保護要求を何度も棄却された末、スイスへと戻る。現在はローザンヌ郊外のラ・ヴュ・デ・ザルブという小村で暮らしている

山田美明[ヤマダヨシアキ]
東京外国語大学英米語学科中退。仏語:英語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ジョニーウォーカー

18
想像できるだろうか? 昨日まで隣近所に暮らしていた人々が、ある日突然、山刀をふりあげ襲ってくる恐怖を。自宅を包囲され、目の前で家族がつぎつぎと惨殺されていく絶望を。1994年ルワンダで起きたフツ族によるツチ族100万人の大虐殺。左手と片目を潰されながら家族44人の中でただ一人生き残った著者が語る“あの日の真実”。「もう神は信じていない」という彼に、もし読者である自分がしてあげられることがあるのなら、それはこの本を少しでも多くの人に知ってもらうこと。怒りという感情で涙が出るなんてはじめてだ。2009/08/11

だてまき( ˘ω˘)スヤァ

17
100日で100万人が大虐殺されたツチ族とフツ族の宗教的対立。人間にとって神とはなんだ?昨日まで仲の良かった隣人がある日突然山刀を振り下ろし残虐行為を繰り広げる。神に仕えるはずの聖職者は全て置き去りにして逃げ出し、女は陵辱され腹を切り裂かれ乳児は壁に投げつけられた。目を抉られ鼻を削がれながらも一人生き残った青年が語るあまりに残酷なルワンダの100日間。例え生き延びても救いの日はこないし神などいないと彼は言う。これは絶対に忘れられてはいけない出来事。多くの人に読んでもらいたいと思う。2013/07/16

鈴木双葉(全日本目が死んでる団団長)

8
図書館で見かけて、気まぐれと好奇心から手に取った。ふーむ、人間とはミステリアスなものですね。フツ族が特別に残虐な民族ということではなく、(アメリカの心理学実験のように)ある条件が整うと、意外と簡単に人の残虐性というのにスイッチが入ってしまうのだろうな。そのスイッチが入る条件、入らない条件というのが気になる。そして著者が神の存在についていろいろ逡巡してるのが興味深い。天国も地獄もなければ、著者の家族を殺害し、著者に酷い傷を負わせた男は、軽い刑事罰以外の罰は受けないで済む、ということになるのか?2009/09/13

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

7
概説書などでは分からない赤裸々な事実が書かれている。これほどのものだったとは。クリスチャンでもある著者の神の不在への問いは重い。そして、著者の怒りも。そんな著者に対して、彼を保護したヨーロッパ人たちは加害者を許すことをしきりに薦めるが、著者はあくまでそれを拒否し続ける。赦しを行なった体験者もいることは事実だが、いくら正しい言説だからと言って、部外者が安易に赦しを説くことは慎むべきだろう。その辺の感覚の違いがよく分かる。なお、時にホロコーストと共にルワンダの名が語られることがあるが、その違いも明確に感じた。2012/06/10

テツ

7
ジェノサイド自体の描写よりも、家族を皆殺しにされ、片目を潰され、鼻を削がれ、片腕を切り落とされ、昨日までの隣人を殺害するスイッチが簡単に入ってしまう人間を目の当たりにした青年が神の存在について考える部分が辛かった。確かにツチ族とフツ族という違いはあれど、ある日突然昨日までの隣人をも平気で殺害することのできる人間という存在が悲しくて仕方ない。それができる人間とできない人間との違いは何なのだろうか。原罪とは、その心の動きのことではないだろうか。時が経っても何一つ終わることの無い著者の心を思うと辛い。2012/08/28

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