感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
72
2018年発刊の復刻版。表題作「夕暮れへ」幼い頃割った井戸の表面に張った円盤の氷の思い出。近所に住んでいた若い女はあれからどうしているのだろう。中年のおじさんになり池の氷に手を伸ばしたが、氷は池の向こうに手が届かないところへ流れていく。昭和の薫りがする絵コンテ。小説を読んだ後に余韻が残るような、人生のある場面を切り取る短編10話。どちらかというと悲しみが残る読後感。「インコの神」「螺鈿の舟」が好み。2020/06/21
akihiko810/アカウント移行中
20
87年に40歳で漫画家デビューした寡作漫画作家・斎藤なずなの作品集。7.5/10点 ガロ(アックス)掲載作ではないけど、作風としては「純粋なガロ系」漫画。家族になかば捨てられた、入院している痴呆症の老婆を描いた「トラワレノヒト」はすさまじい漫画。これほど「老い」と「生」の醜さとすさまじさを描いた作品は見たことがない。2024/03/08
ぴよ(toyoneko)
3
凄い本だった。特に,「トラワレノヒト」「ぼっち死の館」は傑作2021/11/17
yamashita-s
2
斎藤なずなは面白いけど、読了後に心が温かくなるというよりはうっすら冷える。薄氷の話が良い。中程の認知症母の話はちょっと辛い。2019/07/15