内容説明
深い業やら因果や恨みや呪いの上に、月ノ光はヒラヒラと舞い降りる。何百年も何千年もの間、飽くことなく毎日毎日毎日毎日…。幻の初期作品集が復活。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
52
初期の花輪和一は、SM、スカトロ、監禁、業病、近親姦、人肉食とバランス良く見世物小屋の距離感で地獄巡りをさせてくれる。思うに、これを倒錯や耽美だけで片付けてしまえば本質を見失うだろう。強烈無比のイロニー。傍に寄るだけでくらくら眩暈がするほど悪に満ちた作品の根底には、意外に無垢なる浄土があるかも知れぬと気づくのは、最後の「月ノ光」を読んだ時だ。作者は自分でもなぜこんな漫画を描いてしまうのか判らずに描いているのではなかろうか。だから読む方も、罪悪感を共有しながら意味不明の求心力に吸い寄せられてしまうのである。2015/07/18
5〇5
4
花は裂けども因果は巡る 廻り周って毒が咲く2023/11/05
Shun Yoshioka
3
★★★★ 筋書きも絵もコマ割りも全てひっくるめて陰鬱な暴力を振るわれてるかのような作品だった。それが嫌ということではない。とにかく絵が強烈なのと、まるで日本絵画のような一コマ一コマが恐ろしくも美しい。なんだかイケナイものを読んでる感じがして良かったです。2020/01/05