感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅独歩
5
こういう形で勝又進が注目されるのは、本当につらい。しかし、この漫画がなぜ四半世紀もの間、単行本化されなかったのかを考えるのは今しかないだろう。「深海魚」は1984年に発表された原発労働者をテーマにした作品である。その取材のため、勝又は福島原発を訪れている。声高にイデオロギーを押し付けるのではなく、静かに怒り続けた表現者がいた事を多くの人に知って欲しい。2011/10/28
ウチ●
3
この本も暫く「ブ」の棚で「買って!」オーラを発していました。(作者・勝又進のことは存じませんでした)手に取りパラパラと繰ってみると「つげ義春インスパイアか?」の第一印象。原発労働者を描いた表題作「深海魚」と「デビルフィッシュ」が3.11以降俄かに注目を浴びて日の目を見た、というところのようですが、一連の河童・狸を描いた作品が更に良かった。端境にある少年の目を通してみるあちら側とこちら側の物語。いくつかの自伝的作品も良かったが、解説を読んで初めて得心。こちらは少し難解でした。「赤い雪」要チェック。2015/05/30
漫画読み
1
原発物というくくりの中で売られてしまうのが惜しいくらいに 後ろの3部作が素晴らしかった
こっぺ
1
短編集。作品によってその雰囲気が違う上、私にとっては少々難解なものもあったので一概に感想は書きにくい。けれども難解だからと言ってもう手にとらなくなるということはない。それだけの魅力というか、惹き付けられるものがある。読んでよかった。2011/10/26
novutama
1
勝又進の『深海魚』が発刊されました。表題作は84年に原発労働者の知られざる日常を描いた作品で、今こそ読まれるべきものです。顧みられないモノ達への暖かな眼差し。静寂と澄んだ冷気と土の匂い。そして自己救済の物語。東北に生まれ不遇な生い立ちを持つ著者だからこそ描けた珠玉の短編集です。勝又進の世界をぜひ皆さんも!!既刊『赤い雪』もオススメです。2011/10/24