感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しましまこ
17
短編集。二色作品の「星匠」にヤられた!なんて美しい!!隅々まで静かで美しくそして優しい。私も1つ星を貰ったような気がする。どの作品にも日常に異界が入り込んで来て温かかったり、ゾッとしたり、楽しかったり。凄かった!!2015/02/22
ごま
14
短編9つ。背表紙にピンときて手に取り、読メで確認したら読んでみたいと思っていた作家さんだった。やー、すごい。買って良かったー。殆どが少し不思議な「視えない世界」。著者いわくそれは高速二度見に成功した感覚を描いたものだそう。独特なトーン使いは絵の具感覚に見える。書かれるお話は文学のようだ。ひとつ惜しいのは人物の描きわけ。それ以外はなんて完成度が高いのだろう。好き嫌いが分かれそうな絵ですが不思議な話が好きな方はぜひ。この稀有な才能をもっともっと「視」てみたい。2015/02/24
gelatin
13
★★★★★ 中野シズカ祭り2冊め。中野シズカの本の中ではこれが一番、登録数が多い。印刷部数が多かったのかな。安定して美しい紙面が定評を得つつあるからかな。などと考え「星匠」に見とれる。良い意味で立体感のない絵柄が静謐さにつながっていると思う。なのにスピード感はあるんだよなぁ、不思議。少しの怖さも、物語の中の湿度も、この人ならでは。もしかしたら日常は、綻びるためにあるのかもと思う。その綻びから、可愛い異次元が顔を覗かせる。ほら、あなたの後ろにも。2018/09/25
mugi
7
まず表紙に惹かれて。こういう画作りをする作家さんがいるのか…!絵本を読んでる気分でした。一コマ一コマ手が込んでて美しいし楽しい。色んな世界観の話があるけどやっぱり印象的な舞台は日本家屋と緑の茂るその『庭』。通り雨の後のさわやかな空気と瑞々しさ、透明感、早く夏が来ないかなと思う。2014/05/02
IENEKO
6
トーンワークがますます冴えわたっている。最小限の輪郭線と印象的な眼差し。季節感が合っている話が多く、読んでいてむせかえるような緑色の湿度を感じました。刺星では見えなかった兄の内面がちらっと覗けた気がした。やっぱり刺したのは彼なのかな。ひょうたんとか藤とか蔓植物は情念を感じます。2010/07/06