内容説明
奇妙な出来事なのになぜかリアルなこの感触は、いつか見た夢とそっくり?詩人・大下さなえのwebサイト『きゅぴ島』にて公開された、漫画家・西岡千晶(西岡兄妹)とのコラボレーション「きゅぴな毎日」に書き下ろしを加え、新たにイラストを描き下ろした26編の詩画集。
目次
わたしそっくり
水底の花
歯ブラシ、蛇口、ドアノブ
古井戸
わきあがる雲のように
塔の上にわたしがいた
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Roy
12
★★★★☆ 西岡千晶の独特で奇怪な鬱病になりそうな絵、大好き。鬱過ぎちゃって頻繁に登場してくる蔓草に弄ばれて全身絡まりたい欲望にかられてくる。あと、で何なの?ってつい聞き返したくなる「くらげそっくり」って題名も好き。でもやっぱり、で何なの?としか感想はないけれど。個人的に大下さなえさんは詩をお辞めになって、小説とか絵本の道へお進みになられると良いのではないだろうか、と思う。ひとつひとつ掘り下げれば面白いのに、これじゃ墓場同然。2009/03/22
rin
7
★★★★…西岡さんが描く絵が好きで購入。西岡兄妹の時とはまた違った世界観。全ての境界線が曖昧で、夢か現か判断がつかなくなるような言葉と絵。迷路の中に迷い込んだような錯覚に陥る。美しいのに怖い、優しいのに暗い。相反する要素が奇妙なバランスで成り立っている不思議な詩集。2013/03/20
cica*
1
西岡兄妹を知るきっかけになった詩集。大下さなえさんのシュールな詩と西岡千晶さんの挿絵の相乗効果で、静かに独特の世界が成り立っている。異質なものが平然と入り込んでいる感覚にぞわぞわした。もうこの組み合わせ以外は考えられない!というくらい、挿絵がぴったりで、ひょろっと長い手足にうつろな眼窩がツボ。「水底の花」「塔の上にわたしがいた」が絵本仕立てで好き。2013/02/19