内容説明
「普通の人生を望んでるだけなのにね」目立つけど、そんなに嬉しくない特殊体質。「ケンゲン」のアラサー女子は、ぐるぐるめぐって、山頂をめざす。すばる文学賞作家による受賞後第一作書き下ろし長編。
著者等紹介
高橋陽子[タカハシヨウコ]
1965年東京都生まれ。2012年「黄金の庭」で第36回すばる文学賞を受賞し、13年、同名単行本『黄金の庭』(集英社)上梓。『ぐるぐる登山』が初の書き下ろし作品となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いくら
27
前作の『黄金の庭』がとっても面白かったので新作が出るのを楽しみにしてました。今回も設定が突拍子なくて、他の方のレビューを読ませてもらってたら本当に大丈夫かなと心配になったけど、自分は読んで良かったと思いました。顕現というあり得ない設定とはいえ、結婚前の年頃の女性たちのはなしなので、読みやすく感情移入もし易いです。でも水の顕現の水奈のはなしがとても辛かったな〜。高橋さんはこういった感じのものを書かれていくのかしら。2015/09/21
野のこ
8
山ガールの話かなと思い借りたらケンゲンという体質をもったアラサーたちの物語でした。ファンタジーでしたが、悩んでることとか、目標にしてることが共感できて読みやすかったです。私も香音ちゃんに占ってほしいな。 2016/05/24
信兵衛
7
現代における幸福観をユニークかつユーモアを以て描いた一冊。 読み手の好み次第かもしれませんが、私は本作品、好きです。2015/01/16
yamakujira
5
仲良し4人組のアラサー女子が扁平山に登っている。名前の通りの低山で交わす会話を聞くと、4人とも「ケンゲン」と呼ばれる特殊能力者らしい。この世界では500人にひとりが顕現らしく、優位な能力じゃなくて不便な体質として年金まで支給されるという。彼女たちの抱える悩みは、それぞれに年相応の卑近な内容で微笑ましい。でも、ファンタジーを借りて、同調化に疑義を呈する物語なのかもしれないな。タイトルで期待した「山」は最初と最後のハイキングシーンだけだったけれど、ときどきみんなで登る山があるっていいね。 (★★★☆☆)2016/09/11
らむたん
5
顕現という症状をもつ4人の女性たちの話。 読み終わってみると普通の女性の悩みや葛藤を顕現があることで顕著にまとまった感がでやすくなったと思う。 普通の女子の物語と違うところは、終盤にくるすっきりなエピソードがいくつかはさまれてくる。 タイトルともマッチしたいい作品だった。2015/03/13