出版社内容情報
アトリエサード[アトリエサード]
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オーブリー・ビアズリー[オーブリー ビアズリー]
著・文・その他
井村 君江[イムラ キミエ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エル・トポ
14
渋谷ヒカリエ「サロメ展」のギャラリーで購入。サロメの現代の femme fatal のイメージを与えたのはオスカー・ワイルドとビアズリーだという事は有名だけれど。元は母親の言いつけに従いヨハネの首を望んだだけの従順な女。新約聖書の福音書にもその名はきされておらず、「ユダヤ古代史」「ユダヤ戦記」と照合する事で初めて名前と年齢がわかる。サロメのその後にも実に多様な伝説がある。ワイルドとビアズリーの仲が悪かったこと、ワイルドよりも前にギュスターヴ・モローがイメージを確立させていた、等。2023/10/01
保山ひャン
0
聖書のサロメを超えてワイルド、ビアズリーが生み出したサロメ。そうしたサロメにまつわる受容と創作の歴史や、サロメに影響を受け、イマジネーションとオリジナリティーとアイデンティティーを駆使した作家の作品などが詰め込まれた1冊。クラナッハ、ギュスターヴ・モロー、多賀新、木村龍、二階健、衣、マンタム、三浦悦子、林美登利、そして相良つつじ、他。香山滋にも触れられていた。サロメには妖しい魔性の女のイメージがついているけれど、全ての女性はサロメであり、いつ首を斬られても本望なのだが、自分がヨカナーンじゃないのが残念。2023/03/07