内容説明
20年前、中国瀋陽の大学に日本語教師として派遣されて、数多くの中国映画や香港映画を鑑賞。帰国後も中国語圏映画を追い続け、プロの映画関係者も含む年季の入った中国語圏映画ウォッチャーに出会ってますます熱を昂じさせていった著者。10年前から雑誌連載で、心に留まった作品を紹介・批評しながら、その時々に見て考えたことを記してきた。その記事をテーマ別に再構成し、『ベスト・キッド』等の娯楽映画から『鉄西区』等の骨太なドキュメンタリーまで、中国語圏映画の10年を俯瞰した貴重な批評集。
目次
1 社会を描く(淡々と現実を見つめる骨太な映画たち;30年の時を超える中国モラリズム ほか)
2 歴史の記憶(子供のころに文革があった―若い監督が描いた文革と親と映画;天安門へ疾走した若者たちの物語 ほか)
3 中国映画のジェンダー(韓流の若い元気さに比べ香港映画は酸いも甘いもよく知る「おとな」だ;「オペラ座の怪人」vs「夜半歌聲」 ほか)
4 戦う映画―カンフー・アクション・武侠片(合作映画『墨攻』の香港映画「らしさ」と「らしくなさ」;昨今の映画に見る「男たちの戦い」 ほか)
5 若者たち(映画の秋に三つの「夢」を見た―監督の夢・帰るべき街の夢・人々の夢;「春風沈酔の夜」に見る王家衛または張國榮の影 ほか)
6 監督で見る映画(だれのための映画?―国際市場の中での映画づくり、または男優王国・ニッポン;飢え、渇く二つの都市の恋情 ほか)
著者等紹介
小林美恵子[コバヤシミエコ]
1951年生まれ。お茶の水女子大学大学院文学研究科修士課程修了。都立高校教員を経て、早稲田大学非常勤講師。専攻は日本語学、社会言語学(談話研究・ジェンダー論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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