目次
序 どこまで許されるのか(パクリと創造の境界;パクリとパロディ、オマージュの違い ほか)
第1部 あらゆる分野にはびこるコピペとパクリ(歴史上に見られる盗用;小説に見られる盗用のパターン ほか)
第2部 バレないと困るパロディの世界(裁判になったパロディ事件;贋作もあるデザインのパロディ ほか)
第3部 怪しい捏造と改竄(結論ありきのテレビの捏造;ドキュメンタリーの捏造と真実の境界 ほか)
おわりに 厳しいだけではない寛容さを求めて(病理としてのコピペと捏造;むずかしいノンフィクションにおける判断 ほか)
著者等紹介
時実象一[トキザネソウイチ]
1944年岡山県に生まれる。1966東京大学理学部化学科卒業。1968東京大学大学院理学系研究科化学専門課程修士課程修了。東洋レーヨン(現東レ)株式会社、社団法人化学情報協会、米国化学会ケミカル・アブストラクツ・サービス(CAS)、科学技術振興事業団(JST)、愛知大学文学部教授などを経て、現在、東京大学大学総合教育研究センター非常勤講師。一般社団法人情報科学技術協会会長。学術情報XML推進協議会会長。大阪大学にて理学博士号授与(1987)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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緋莢
16
図書館本。小説、マンガ、絵画、音楽などのコピペ(剽窃)、パクリ、著名人の捏造などを様々な事例と共に紹介した本。島崎藤村の『夜明け前』の書き出しが、江戸時代の紀行作家・秋里離島の『木曽路名所図会』の剽窃だったというのには驚きました。また明治頃は海外の小説を無断翻訳、翻訳剽窃したものが多かったとの事。コピペに関しては政治家や役所の視察報告書の安易なコピペに関しては何してんだ!と思いますが、教育現場でのコピペの意識は深刻だな、と。 (続く2019/08/08
hanagon44
11
プレゼンテーション力が増々重視されている昨今,コンテンツを記述する際,つい甘く考えて安易にコピペをし,何とか無難にまとめたつもりになることが少なくない。情報収集が容易になったことと比例して,得られた情報を検証する力が必要となっている。この部分を疎かにするとplagiarismへの鈍感力増長となり,いつ自分の首をしめるかわからない。小学生の内から,引用などのやり方・作法をしっかり指導し,意識を高める必要があると思った。2017/01/17
CCC
7
刺激的な主題と興味深いサブタイに惹かれて読んだけれど、ほとんど事例紹介に終始していた印象。というかこの話の広げ方でサンプリングについての話がないのは、なにやらがっくりくるものがある。パロディの一形態くらいの認識なのだろうか。2017/10/01
Humbaba
7
道具それ自体に善悪はないが、使い方次第で良い方向にも悪い方向にも進められる。ただ文字を書き写すことは無意味な労働でしか無いため、それを簡単にコピーできるのは良いことといえる。しかし、そのコピー先が記事や論文、宿題となると話は別であり、正しく引用を記載しなければルール違反である。2017/02/18
くりりんワイン漬け
5
著作権侵害に関する事例をちりばめた本だと思い購入。最初の章は期待通りでしたが、中盤から外れていきました。2017/03/21