内容説明
ヴァイオリニストにしてピアニスト、作曲家、指揮者、教育者―ルーマニアが生んだ不世出の天才音楽家、ジョルジェ・エネスク。『ルーマニア狂詩曲』など数々の名曲を残し、天才の名をほしいままにしながらも、望郷の想いに駆られつつ孤独のうちに異国に没したその栄光と悲劇の生涯を、豊富な写真や資料とともに初めて日本に紹介する。
目次
第1章 人生の流れにそって(芸術家としての出発(一八八一~一九二〇)
円熟期における音楽世界(一九二〇~一九四六)
亡命の悲劇(一九四六~一九五五))
第2章 多くの顔をもつ芸術家(ルーマニア魂をもつ作曲家;天性のヴァイオリニスト;偉大なる指揮者;ピアノのヴィルトゥオーゾ;個性的な教育者;スケッチする音楽家;エピローグ)
資料篇
著者等紹介
コズマ,ヴィオレル[コズマ,ヴィオレル][Cosma,Viorel]
音楽評論家。1923年3月30日、ルーマニア・ティミショアラ生まれ。ティミショアラ音楽院でヴァイオリン、理論、ソルフェージュを学ぶ。ブカレスト音楽院でハーモニー、対位法、音楽様式、音楽史、作曲法、音楽美学、オーケストラ指揮法、合唱指揮、ソルフェージュ、理論などをミハイル・ジョラ、マルツィアン・ネアグラ、レオン・クリッパー、ゼーノ・ヴァンチェア、イオン・ディミトレスク、ジョルジュ・ゲオルゲスク、コンスタンティン・シルヴェストゥリ、テオドール・ロガスキーなどに師事する。1972年、1973年とニュルンベルクの音楽学セミナーに参加。アルベルト・デッラ・ペルゴーラ音楽院教授、合唱とオーケストラ指揮者、ブカレスト第一および第二音楽高等学校の音楽史の教授、ブカレスト人民音楽大学学長、1964年以降ブカレスト音楽院教授、および学長を務める。その他、ブカレストの作曲家協会の理事長、国際音楽学学会(バーゼル)、フランス音楽学協会(パリ)、音楽研究協会(カッセル)、ヘンデル協会(ハレー)、ショパン協会(ワルシャワ)などの会員を務める
竹内祥子[タケウチショウコ]
ピアニスト。札幌生まれ。武蔵野音楽大学で音楽学を専攻し、その後イタリアとウィーンに留学。イタリア・オペラと歌曲の研鑽を積む。その後パウル・バドゥラ=スコダにウィーンで師事。著書に『遙かなる望郷のバラード』(ショパン)がある。ウィーン楽友協会主催により一九世紀末、二〇世紀ウィーンの作曲家の作品の演奏をブラームス・ザールで行なった。ウィーンの近現代の作曲家の作品に詳しい。FMラジオのパーソナリティーを務める傍ら、「カメラータ・トランシルヴァニア」のピアニストとして活動している
ストイヤン,ペトレ[ストイヤン,ペトレ][Stoian,Petre]
外交官。ブカレスト生まれ。ブカレスト大学でアラビア語、フランス語、日本語を専攻し首席で卒業。ブラショフ近郊の町サチェレでフランス語教師として勤務。革命後は外務省勤務。日本の文部省奨学金を得て来日。筑波大学で社会科学を研究。現在は在日ルーマニア大使館参事官
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