内容説明
歴史的にいって、同じ中欧のドイツ語圏で、プロイセンのドイツとハプスブルクのオーストリアという2つの“ドイツ”が対立してきた。それは哲学・思想の世界にも反映し、“オーストリア哲学”の歴史的特徴を形成した。それはもちろんすべての哲学に妥当するわけではないが、大きな歴史的必然性をともなう。
目次
第1章 “オーストリア哲学”の独自性と19世紀転換期(世紀末状況)
第2章 フリッツ・マウトナーと“言語論的転回”の開始
第3章 エルンスト・マッハの哲学とレーニンの批判
第4章 フェルディナント・エーブナーにおける信仰のことばと形而上学批判―時代の病理に抗して
第5章 マルチン・ブーバーの“対話の社会主義”
第6章 ウィトゲンシュタインはヘーゲル、マルクス、禅と融合可能か
第7章 新ヘーゲル主義の登場とポスト分析哲学―対立から融合へ
第8章 アルフレート・アドラーの心理学の流行と現代
補論 プロレタリアートと宗教(オットー・バウアー)
著者等紹介
島崎隆[シマザキタカシ]
1946年生まれ、一橋大学社会学部名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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