内容説明
穏やかな結婚生活を送っていた怜子は青春期に師事していたピアノ教師吉村と偶然出会う。それは怜子にとって甘やかな、それでいて残酷な過去との再会であった。音楽の道への挫折、吉村への淡い想い。避け続けたピアノに向かった途端、十年前の感覚が身体の中に満ちてきた。と同時に吉村への熱情が沸き立つのを抑えられなかった…永遠の恋人との再会、別離―そして、彼の息子との出逢い。過去、現在、未来…三人の男性の間で揺れ動く女性のドラマティック・ロマンス。第3回碧天文芸大賞出版化奨励作。
著者等紹介
村山久美子[ムラヤマクミコ]
東京生まれ。大学文学部国文学科卒業後、OL生活とともに執筆活動する。「健友館文学大賞」にて、『夏の花火』第10回准佳作、『雛』第11回佳作に入選。第12回「新風舎出版賞」にて『天使の涙』が出版化奨励賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。