内容説明
不実とはここでは「実らず」の意で、「花咲かず」「種あらず」などを含む「生涯に至らない植物」の在り様を指して、筆者が仮に規定してみた外道信仰用語である。本書では、不実を植物/動物から人間の領域にまで拡張、本来、聖者の自己犠牲的な行為としてあったFGM(女性器切除)/MGM(男性器切除)が、歴史の中で社会の統治権力の在り方と関わってどのように「変形」をとげていったかを見る。“未開・蛮習”とされてきた古代信仰の核心に光を当てる。
目次
1 抜箭天皇考
2 象神考
3 落語考
4 「木と林」について
5 割礼考
6 不実考
7 外道幻想の歴史性について
8 胞衣神考
著者等紹介
徳永裕二[トクナガユウジ]
1949年1月、大阪府生まれ。2017年1月から『個人通信 外道曼荼羅』を「伽藍堂雨山人」名で発行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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