内容説明
子どもたちは無意識の底で「それはちがう」とささやく。不登校、非行、虐待、性的虐待、発達障害、思春期危機。子どもたちが抱えるさまざまな問題に大人と家族はどう向き合えるか。
目次
1(明るい不登校―三世代家族のバランサー;止まない非行―母のなりたかったもの;里親という生き方―家族の条件)
2(零度の約束―初めはふつうの家族だった;誰にも言えないこと―父と娘の距離;消えない炎―別れた家族が集まるとき;アスペルガーと記憶の泉―小説がカウンセラー)
3(思春期の生と死―深い霧の向こう;家族再統合―発達障害に訪れた奇跡;中学生で父親に―家族へのいばらの道)
著者等紹介
内田良介[ウチダリョウスケ]
1947年熊本県に生まれる。1988年から、九州圏内の県職員となり、退職まで三つの児童相談所で勤務する。相談課、児童福祉司、係長、保護課長、相談課長等を歴任し、その間相談技法として「家族療法」を取り入れる。2006年に日本家族心理学会、家族カウンセリング協会認定の「家族心理士」の資格を取得。退職後は、中学校のスクールカウンセラーとして勤務する。著書に、詩集5冊。日本現代詩人会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hatohebi
1
著者は児童相談所で長年勤務し、家族療法の技法を修得して退職後はスクールカウンセラーになった。本書は熊本の文芸誌『道標』に連載した7章に3章を加筆したもの。個人情報を配慮して創作の形にしているが、著者の身を切るような体験に基づいている。子供の問題は「家族」という複雑な力場との関係で生まれ、ともすれば親の問題が要因だったり、歪な家庭で子供が生きるために選んだ手段が問題行動だったりする。だからアプローチも多方面の連携が必要で、最適解はないということ。2018/06/17
amie
0
事例がほとんどで読みやすかった。子どもや家庭の闇を感じたけれど、きちんと適切なアプローチができればいい変化が見られるのだと思った。2019/01/21