アフガン・緑の大地計画―伝統に学ぶ潅漑工法と甦る農業

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 212p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784883442713
  • NDC分類 614.3
  • Cコード C0051

内容説明

戦乱の続くなか、旱魃と洪水で荒廃に瀕した農地と沙漠が、伝統工法で甦る。安定潅漑は、偉大な「投資」である。過酷な自然に、日本の伝統的な工法から学びつつ挑んだ15年の技術と魂の記録。

目次

総論―アフガン東部の干ばつと対策(PMSが取水方式にこだわるわけ;干ばつの発生機序;中小河川沿い地域の問題と対策;大河川沿いの問題とPMS取水方式;最も経済的な「投資」―干ばつ難民、干ばつと治安;クナール河流域の気候条件と干ばつ;「緑の大地計画」における安定潅漑)
技術編―「適正技術の試み」(基礎的な技術(資材の工夫)
治水・潅漑に挑む(主な構造物への応用))
山田堰と「緑の大地計画」―温故知新
アフガニスタンにおける水資源・潅漑政策―地域社会のオーナーシップが復興への鍵となる

著者等紹介

中村哲[ナカムラテツ]
PMS(平和医療団・日本)総院長。1946年福岡県生まれ。九州大学医学部卒業。医師。国内の病院勤務を経て、1984年パキスタン北西辺境州(現パクトゥンクワ州)の州都ペシャワールに赴任。以来ハンセン病を中心とした貧民層の診療に携わる。1986年からはアフガン難民のための医療事業を開始、アフガン東部山岳地帯に三つの診療所を設立。98年には基地病院PMSをペシャワールに建設。2000年以降は、アフガニスタンを襲った大干ばつ対策のための水源確保事業を実践(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スー

13
アフガニスタンはソ連の侵攻からタリバン、内戦、旱魃と続き農地が荒れ果て職を失った人達は軍閥や犯罪に走り治安の悪化に繋がっていた。用水路を砂漠地帯に通す事に成功すると、緑化に成功、気温が7度低下、農作地を増やし多くの人が帰農する事により治安の安定に成功、アフガンは村がそれぞれのルールにより統治されていて独立性が高かったが同じ用水路を使用する村同士が管理と維持の為に協力するようになりました。砂漠が徐々に緑の溢れる土地になっていく写真は感動しました。軍事力に頼らず地域の安定化に成功した好例になればと願います。2017/10/16

Lila Eule

10
成し遂げられた事績の詳細を知れた。医師とその医療支援組織が国際機関も政府もなしえなかった成功事例をつくりあげていたとは。人道支援との言葉は簡単に使えない言葉であることを痛感。成し遂げられた灌漑事業の詳細を読めば読むほど、数々の真実を証明した偉業に頭が下がる。旱魃は克服できる。農地も農業も村も人も再生できる。農業で治安を取り戻せる。農地が戻れば人々は自分の人生を取り戻せる。国際標準でないから成功する。と。著者の山田堰評に感銘。現代人は「洞察と忍耐、気力と謙虚さに於いて三世紀昔の祖先たちに遥かに及ばない。」と2017/09/10

yazue

4
地元の新聞に中村医師のことはよく紹介されていて、勝手に存在を身近に感じていたため、殺害された事件は非常にショックだった。この本は「専門知識がない状態で始めたので理解しやすいと思う」と書いてあったが、いやいや私には難しい内容。でも写真が多用してあるので、比較して感心した。すごいことをなさった人だとつくづく思う。。。。中村医師のご冥福を心よりお祈り申し上げます。2020/01/05

後藤良平

3
現地にあった手法で、現地の材料を用いて、現地の人が自ら働いて、ほとんどコンクリートは使わず。本当に素晴らしい全体マネージメントだ。PMS(Peace Japan Medical Services)の単独事業だけで、取水口、用水路延長25km、水路沿植樹32万本、分水路、防砂林、護岸補強、灌漑面積6000ヘクタール、自活できた人口65万人。こういう事業こそノーベル平和賞に相応しいのでは。布団籠、植生、そだ柵工、石積、ソイルセメント、水制行、斜め堰、水車、貯水池など、技術編も楽しい。年間No.20榴岡図書館2021/02/06

泥岳

3
一頃、ODAによる援助は事実上の国内企業向けの公共事業だと叩かれていた。翻って昨今、日本は世界に貢献すべきだという声が内外で高まっている。私はこの本のような事業を行える能力の有る組織の一端にいるので、是非こういうことをしたいし、出来る国になって欲しい。2017/10/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12025817
  • ご注意事項

最近チェックした商品