内容説明
一九四五年六月十九日の夜、福岡市はB29の大編隊による空襲に遭い千の死者が出た。その深夜、福岡市の西にある小さな農村に一機の爆撃機が飛来した。おだやかな日々をおくっていたきょうだいがねむる屋根に、焼夷弾の雨がふりそそぎ父母と弟妹を奪いさった。
著者等紹介
吉山たかよ[ヨシヤマタカヨ]
吉山峰代。1952年生まれ。2010年、在職中に紙芝居「麦の穂との約束―雷山空襲より」(石風社)出版。2012年、38年間勤めた小学校教諭を退職。現在は民生委員・児童委員として地域貢献をするかたわら、小学校や高齢者のサロンなどで雷山空襲の紙芝居を上演し、平和の大切さを伝えている
久冨正美[クドミマサミ]
1935年福岡県生まれ。児童文学誌「小さい旗」同人。絵画グループ五架会会員。朝日西部美術展、西日本美術展、宇部ビエンナーレなどに出品(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わむう
14
現在も語り部をされている山下庫男さんの実体験をもとに絵本が作られた。1945年、B29が福岡市を襲い、そのうちの一機が山下さん一家の住む長閑な糸島市を襲った。父母と兄弟2人をその空襲で亡くし、70年経っても弟が火の中で自分に助けを求める場面では涙を流されるそうです。読み聞かせの練習をしていても戦争の残酷さに泣けてきてしまう。 2017/10/16
いろ
10
小学校恒例の平和学習に合わせ空襲実録絵本を。大空襲の日,都市から遠い農村に1機だけ来て落とした爆弾で家が焼け,両親弟妹4人を失った少年の記録。8歳男児には爆弾で父親の足首下が…場面が衝撃。小学校では校区有志から空襲体験実話を聴き,身近な地区での話に,戦争・空襲の恐ろしさを実感した模様。今では親世代でも知らない戦争体験談,母(私)も一緒に拝聴したかったな。祖父母(私の両親)宅にもこの絵本を持参して,母(私)幼少期「記憶生々しく話すのツラい。」と聞けなかった祖父母(私の両親)の空襲体験談も話してもらえていた。2016/07/05