内容説明
「死者の社会史」から「世間論」まで、ヨーロッパにおける「近代の成立」を鋭く解明しながら西欧的個と世間的日常に分裂して生きる日本知識人の問題に迫る、ポリフォニックな知のライブ。
目次
死者の社会史
中世賎民成立論―賎民と二つの宇宙
笛吹き男は何故差別されたか―中世絵画にみる音の世界
日常性と歴史―文化と文明について
ヨーロッパの個人と社会
ヨーロッパ中世における男と女
世間と個人―日本とヨーロッパの比較
アルブレヒト・デューラーの自画像について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Reading bird
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講演を起こしたものなので読みやすい上に、内容が濃くて目からウロコがたくさん落ちるという、非常にお得な本でした。「社会」はインテリの中にしかなくて、現実にあるのは「世間」という表現には唸りました。2013/08/18
舞茸しめじ
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ヨーロッパでは無理心中という文化がそもそもない話など、著者のヨーロッパでの体験談を交えつつ日本とヨーロッパの違いに焦点を当て、ヨーロッパの価値観を紐解いていく本。 日本にはみんなで見れば真実がたくさん明らかになるという独自の考え方があり、その考え方に則って選挙も政治も行われているのではないかという話が面白かった。 内容の密度は中程度であり、専門用語も少なく著者の解説もしっかりしているため初心者にもおすすめ。読者を置いてけぼりにして進む部分が無い、丁寧な作りの本である。2024/12/17




